リウマチは膠原病?膠原病は難病?

「リウマチは、膠原病なのですか?」というご質問をよく頂きます。「膠原病は、難病ですよね?」というご質問もよく頂きます。

診療科の名前が「膠原病・リウマチ内科」なので、「膠原病と、あとリウマチを診る科」というイメージになって当然ですよね。

ですが、実は
・関節リウマチ
・全身性エリテマトーデス
・強皮症
・皮膚筋炎・多発性筋炎
・結節性動脈周囲炎(現在は、結節性多発動脈炎と呼ばれます)
・リウマチ熱(現在は膠原病には含まれず、当科では診療していません)

が、1942年に初めて「膠原病」という概念が提唱された際に膠原病とされた疾患で、現在では「古典的膠原病」と呼ばれています。つまり関節リウマチは古典的な膠原病の一種ということになります。「結節性動脈周囲炎」はその後様々な「ナントカ血管炎」に細かく分けられ、まとめて「血管炎症候群」と現在では呼ばれています。

上記に加えて
・混合性結合組織病
・シェーグレン症候群
・抗リン脂質抗体症候群
も、膠原病に含める疾患です。

膠原病というのは上記のようないろいろな病気をまとめて呼ぶ呼び方なので、私たち膠原病内科医は病気の診断名を考えるときに「膠原病なのか膠原病じゃないのか?」というような考え方はしません。個々の病名について、それぞれ可能性を考えます。

「膠原病は難病ですね」というご質問に対しては「膠原病の中のどの病気なのか」によっても違いますし、同じ病名がついていても病状にはとても大きな個人差がありますので「膠原病の中でどの病気なのかと、ご病状によって異なります」というお答えになります。「膠原病は難病ですね」というのは「癌は治らないですよね」というようなものです。当然、どこの癌なのか、どのくらいの進行度なのかで全然違いますよね。

そもそも「難病とはなんぞや?」という質問に対して明確に答えられるような定義がないので、僕は「難病」という言葉を使いません。難病の申請をすると医療費の補助が受けられますよ、という説明をするときだけ使います。

少なくとも難病=常に苦しい症状のある治らない病気、という意味で使うのであればほとんどの膠原病患者さんには当てはまらないと思います。内服と定期的な通院さえしていれば社会生活を送るのには何も困らない、という方が大多数だからです。「膠原病=難病」というイメージは、なくなればいいのにと思っています。

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